ひとのわにっきBlog

カテゴリー:組織活性化

教職員向け研修「生徒中心の部活動へ」

毎年おうかがいしている教育委員会さまで
部活動指導を担当されている先生方を対象に
「生徒中心の部活動へ」と題した研修を行いました。
体罰防止研修のための3年間の取り組みの一環です。

最近のスポーツ指導の考え方として、
「プレーヤーズセンタード」を部活動に取り入れて、
生徒中心に運営することを考えていただきました。

暗幕がひかれた劇場のような会場なので、
近くの席の方とのミニワークをたくさん入れて、
眠くならないよう工夫しました。

数分立っているだけでも倒れそうな猛暑の中、
健康管理に気をつけながら指導されている先生方は
こんがり日焼けされていて、激務だなぁと思います。
生徒たちが自分たちで考えて充実した活動ができるよう、
ヒントになっていればうれしいです。

TV画面に「ほめてください」と叫ぶ

「できていたら黙っています。ほめませんので。」

ANAから高級ホテルに出向した女性の密着取材で、
上司のセリフに愕然としました。
テーブルセッティングを厳しく注意した後に
おっしゃったことばです。

ガイアの夜明け
「ANA 大逆風に立ち向かう
 ~再生に向けた218日の記録~」を
見逃し配信で観ました。

巨額の赤字に転落したANAで、
出向を決めた社員さんたちが
「人件費削減で会社への貢献」と
痛々しいほどに努めて前向きに語る姿に
胸を打たれます。
冒頭の場面もその中の1つです。

上司のみなさん、部下をほめてください!

決して、べた褒めする必要はないのです。

できていることは「できている」「それでOK」と
ただ事実をそのまま伝えてください。

番組に登場された女性社員は、
お客さまをおもてなしする高級な接客は同じでも、
エレベータに乗るお客さまを見送った後、
重い荷物を抱えて階段を駆け上がったり、
観光地の質問に答えるために休日も街を歩いたり、
慣れないお仕事でがんばられています。

会社の業績不振で傷つかれたでしょうし、
初めてのこと続きで自信もなくされたでしょうし、
できているところをできていると言われたら
それだけで勇気づけられ、苦労が報われます。

ただ「これでOK」「できるようになった」と
事実をそのまま伝えるだけで、
部下は「ぼめられた」と感じて、
もっとがんばろう、工夫しようと
モチベーションは格段に上がります。
上司への信頼も上がります。

会社にとってもチームにとっても
何一つデメリットはないはずです。

コーチングや1on1の研修や個別セッションで
スキルやテクニックだけでなく、
こういうことを伝えていきたいと
改めて強く感じました。

「ブライス家の人々」でコーチの覚悟を問われる

Points of You🄬の先輩トレーナーの紹介で、
「ブライス家の人々」を読んで、
コーチとしての覚悟を問われたような感覚を
おぼえました。

家族療法の詳細なプロセスを読み進めながら
・IP(問題と思われている特定の人)ではなく
 家族全体をシステムとしてとらえること

・カウンセラー2人も1つのシステムとして
 家族システムに関わること

・ことばにならない場の感情を読み取ること
 それをことばにして反映すること

・何が起こっても、場のプロセスを信じること

・カウンセラー側の意見が食い違うときは、
 話し合うプロセスもオープンに見せること

・深刻になりすぎず、ユーモアを忘れないこと

などなど、

私が、組織やチーム、家族などの関係性を扱う
システムコーチング(ORSC:Organization &
Relationship Systems Coaching)や
ブリーフセラピーで学んできた大切なポイントが
ありありとよみがえります。

ライブセッションに立ち会っているような臨場感で、
ここまで覚悟をもって現場に立てますか?と
重い問いを突きつけられたようで、
私ならここでどう対応するかなぁと、
真剣に読み進めました。

手元に置いておきたい1冊なのに絶版で、
Amazonでも中古品が高額で取引されていて
新品が手に入らないのが残念です。
復刻版が出てほしいです。

取材行脚で知った「整える」ことの大切さ

あちこちで耳にされるかもしれませんが、
挨拶や清掃、整理整頓など、環境を整えることで、
職場の風土はぐっと変わります。

逆に、乱れてくると、雰囲気がギスギスしたり、
ミスやトラブルが発生したりします。
因果関係とまでは言えないかもしれませんが、
少なくとも、大きな相関関係はあると思います。

このところ、来年と再来年の研修の準備のために、
某市の数ヶ所の事業所行脚をしています。

どの事業所も清掃やお手入れが行き届いていて、
すれ違うみなさまがご挨拶をしてくださいます。
応接にご案内いただくと、
蓋つきのお湯のみでお茶が出されます。

決して新人女性のお役目ではなく、
No.2の男性や、トップ自ら入れてくださいます。

もともとは問題が多かった職場でも、
丁寧なことばづかいを心がけるようにしたら、
職場も落ち着いて、周りの評判もよくなったとか、
日ごろから、ホウレンソウをさせるのではなく、
こちらから気さくに話しかけて雰囲気をつくるとか、
録画して配信したくなるようなお話ばかりです。

人間なので、ミスやトラブルもありますが、
その対処法も、日ごろの人間関係のおかげで、
組織でチームでのりこえた事例がたくさんあります。

最初からできていたわけではなく、
こうした取り組みの背景や過去の大変なご苦労も
お聞かせいただいて、研修の大きなヒントを
たくさんいただきました。

研修テーマはコンプライアンス関連なので、
堅苦しく、頭で理解する知識勉強になりがちな分野を
できるだけ楽しく易しく、自分ごととして学べるよう、
貴重なお話を参考にして、知恵を絞ります。

動画配信「組織の中で自分らしさを活かして働くヒント」

会場開催の予定だったセミナーが動画配信されます。

中野区産業振興センター
「組織の中で自分らしさを活かして働くヒント」
https://nakano-sangyoushinkou.jp/event
  日時:10月24日~11月1日配信
  講師:ひとのわ 福住昌子

会社の方針を浸透させたい、
同じ方向を向いて働いてほしいなどのお悩み解消の
きっかけになればと思い、

組織開発やシステムコーチングの考え方を取り入れて、
社員ひとりひとりの個性や強みを活かしながら、
社員も会社も成長するためのヒントを、
ミニワークを取り入れながらお伝えしています。

この半年、集合研修が難しくなり、
会場からのオンライン、自宅からのオンライン、
会場開催とオンライン中継のハイブリッド形式など
さまざまなチャレンジをしてきましたが、
自宅での録画は初めてのチャレンジです。

近所の工事音、街宣車、救急車、インターフォンなど
物音が入るたびに撮り直し、8テイクめで完成しました。

苦労して撮影した分、大勢の方にご覧いただいて、
職場の人材育成やコミュニケーションに役立てて
いただければうれしいです。

配信型の研修でライブ感を工夫する

画面オフ、音声オフの制約下で、
40名以上の顔も表情も見えない、声も聞こえない中で、
オンライン講義を行うには、どんな工夫ができますか?

広い会場でたった1人、
2日間、そんな問いに向き合い続けました。

日ごろ、私が提供する研修は参加型で、
問いかけやグループ演習を多用して進めているので、
オンライン研修でも、通常はカメラオン、音声オンで
ブレイクアウトルームで少人数の演習をしたり、
発表や発言を求めてライブ感を大事にしています。

今回は、参加者のみなさまの環境が揃わないので
不公平感を出したくないという事務局のご要望で、
全員がカメラオフ、音声オフで統一されました。

研修内容は昨年までのリピートですが、
実際は1から作り直すのと同じくらい労力をかけて、
私が説明、解説するところを大幅に増やしています。

それでも、聴いているだけではみなさまが疲れるので、
ことあるごとに、何かちょっとした問いかけを考えて、
唯一使うことが許されたチャット機能を多用して、
何度も書き込んでいただきました。

次々と流れるチャットを読み上げてコメントしたり、
ご質問にその場で答えたり、
インスタグラムやFacebookのライブのような要領で、
文字だけでも画面の向こうのみなさまと交流し、
それなりにライブ感を味わうことができました。

そのおかげで、終了後も質疑応答や感想の書き込みが
とぎれることなく続いて、
退出時間ギリギリまでやりとりを楽しみました。

準備は大変でしたが、制約は工夫を生みますね。
何かできることはないか考えて、
講義の構成も、当日の運営も、知恵を絞りに絞って、
講師力が鍛えられたように思います。

友人の記事から組織への感謝の心を学ぶ

日本経済新聞の朝刊19面のWomen@Work
「新常態での介護 仕事とどう両立」に
長年仲良くしている友人が
この春、テレワークの制度を活用されて
ご実家のお父さまの介護をされているお話が
掲載されています。

彼女は会社でも上司や同僚だけでなく、
他部署の方々からも相談ごとをもちかけられ、、
ご実家、ご主人のご両親のお世話もされていて、
私たち友人もいつも頼ってしまうのですが、
いつも自然体で、周りに気を遣わせることなく、
細やかに気を配ってくれる人です。

それだけでも並み外れていますが、
何度お話を聴いてもすごいなぁと思うのが、
周りから感謝されたり褒められたりしても、
「おかげさまで」「~さんのお力添えで」と
必ず謝辞を忘れないのです。

この記事でも、会社に制度があることや、
コロナのおかげで制度を使えたことなどを
話しています。

なかなかできることではありませんが、
これこそが、職場で育児や介護を両立できる秘訣
なのではないかなぁと思います。

制度や職場に感謝する気持ちが伝わるから、
周りの人も心から応援や協力したくなりますし、
それがまたうれしくて感謝するという循環が
職場の中で生まれていくのでしょう。

人の心と心がつながっていく、
つい私は「ひとのわ」がつながっていきますね、と
屋号と結びつけて説明したくなるのですが……

感謝の気持ちを忘れず、
自分からよい循環を創り出していきたい、
そんな大事なことを、友人の記事から学びました。

早速、感謝の輪をつなげていこうと思います。

テレワークとコミュニケーション

コロナウイルスの感染予防で、
業種や職種、テレワーク体制の準備状況によって
在宅勤務を推奨する会社が増えていますね。

報道を見て、
以前、在宅勤務を導入した会社の管理職の方から
相談を受けたことを思い出しました。

「部下が会社に来なくなっちゃったんですよ。」

1人で仕事を完結できるベテランや中堅社員さんが
出勤しない日が増えて、
新人や若手社員を育てられないし、
チームワークがとれないというお悩みでした。

社員さんからお話を聴いてみると、
どうやら真の問題は、別のところにありそうです。

社員さんたちも、本当は出勤して
同僚と話したり後輩の相談にのったりしたいし、
会社に置いている資料も見たいけれど、

職場にいると、
「あの資料どこだっけ?」「会議は何時から?」
「ちょっとこれ調べて」「あれは?」「これは?」
上司からひっきりなしに話しかけられ、
作業や思考が分断され、仕事が進まないそうです。

自分の業務に集中するために、
在宅勤務導入前には、カフェなどに作業をしに行き、
今は、在宅勤務を選んでいるのです。

「職場のコミュニケーション、大事ですよね?」

ことばだけ聴くとうなずきたくなりますが、
職場のコミュニケーションとは何か、
何のためにコミュニケーションをとるのか、
ここから考えてみる余地がありそうです。

ちょっと雑談して息抜きするのも、
親睦を深めることも大切です。
困ったときや急ぎの案件では、
周りの手を止めて助けてもらうことも大事でしょう。

もし、コミュニケーションをとろうとして
一生懸命話しかけているのなら、
ちょっと作戦を変えて、聴き役になってみませんか?

部下ががんばっている話を聴いてねぎらったり。
困ったことはないか、サポートできることはないか、
確認したり。

職場に帰ってきたら、いいことがあるなぁ、
聴いてもらえて元気がでるなぁ、
相談にのってもらえて仕事が進むなぁと思えば、
職場に来たくなると思います。

そして、サポートしてくれる上司の役に立ちたくて、
喜んで手伝ってくれるようになるでしょう。

数日で変わるものではないでしょうが、
在宅勤務や直行直帰で顔を合わせない部下の方々に、
「何かサポートしてほしいことはない?」と
時々声をかけてつながりをつくるところから
始めてみませんか?

よい組織をつくるには摩擦熱が必要

「リーダーとして新しい組織やチームを率いるとき、
 混乱期がくるものだと知っておいてください。」

リーダーシップ研修や組織開発のお仕事では、
心理学者のタックマンの「チーム形成の5ステップ」を
よく説明しています。

チームは、
形成期→混乱期→統一期→成熟期→解散期
というステップで進化していくという理論です。

チームリーダーや管理職になったとき、
意気揚々とビジョンや目的を語り、
メンバーが打ち解けてきたかなぁと思っていたら、
意見のぶつかり合いが起こったり、
部下から不満を訴えられたりすることが出てきます。

リーダーとして自信をなくしそうな場面ですが、
あらかじめ、
それは決して失敗なのではなく、
組織やチームが進化している証拠だと知っておけば、
動揺が少しでも和らぐのではないかと思うからです。

それでもやはり、
実際に自分のチームで衝突が起これば、
落ち込んでしまうとは思うのですが。。。

タックマンによると、
メンバーがそれぞれに意図や役割を解釈し、
貢献しよう、成果を上げようと思うから意見を出し、
ばらばらに動いてしまうため、
一時的にパフォーマンスが下がるのだそうです。

衝突して問題が表面化し、
話し合いを重ねることでお互いを理解し、
チームとして統一感が生まれていくのです。

と、客観的には穏やかに伝えることができますが、
私自身、実際にチームでお仕事をするときには、
意見がぶつかったり、方向性が分かれると、
できれば衝突は避けたいと願います。

私は人一倍争いごとや競争が苦手で、
ストレングスファインダーという強み診断テストでは
「競争性」は34の特性のうち下から2番めです。

平然と衝突を見守ることができるリーダーなんて
いるんだろうか、とさえ、思っていました。

先日、尊敬する経営者さんの名言に、
「わぁ、さすがですね」と感嘆しました。

「何かを変えようと思うと、必ず抵抗はある。
 そりゃ、腹は立つよ。
 何言ってるんだ!と言いたくなるよ。
 でも、良い会社、良い組織にするためには、
 大きな熱量がいる。
 摩擦熱が必要なんだよ。」

苦労を乗り越えてこられた社長さんだからこそ、
あたたかい笑顔でおっしゃることばには、
ずっしりと重みがあります。

闘うくらいなら・・・と、
自分の意見を表明することなく
一緒にお仕事をしていたチームやグループから
離れてしまったことがある私には、
ど真ん中を撃ち抜かれたように響きます。

摩擦熱がよい組織をつくる。
この言葉を胸に、
次回こそ、お互いに意見をぶつけあって、
良いお仕事がしたいです。

セミナーで共感力のパワフルさを体感する

堺商工会議所で女性限定セミナー
「共感力を活かすコミュニケーション力UP」を
開催しました。

働き方改革、生産性向上が叫ばれる今、
女性(女性性)が持つ共感力が「ひとのわ」をつなぎ、
働きやすい職場をつくるために求められていることを
力説し、あとは、演習三昧で聴く力を磨きます。

Points of Youの写真カードを選んで、
どう感じたか、どう見えたかを自由に語ります。

思いもよらない見方や発想で語る相手に好奇心を向け、
おもしろがって聴いてみると、
初対面の人とこんなに話せるの?という声が出るくらい、
心を開いて本音や夢が語られます。

中には、友人にも話していないお悩みを打ち明けたり、
私、こんなこと考えてたんだ、と驚いていたり、
笑顔があふれ、そのエネルギーに圧倒されます。

職場でもこんなふうに聴けるの?話せるの?と
思われるかもしれませんが、
1回あたり、1人が話した時間は3~5分です。

お仕事中におしゃべりに興じるのではなく、
短い休憩時間やちょっとした空き時間、
立ち話でも歩きながらでも話せる時間です。

「そうじゃなくて、」と遮る代わりに、
「へ~、それで?」とおもしろがって
ほんの数分耳を傾けるだけで、
人と人がつながり、職場の雰囲気がよくなります。

だからといって、
毎回毎回、聴かなくてもいいんです。
余裕がないときに、無理に聴かなくていいんです。

あー、聴いてあげればよかったなぁと思った後や、
気持ちに余裕ができたとき、
何かあったのかな?と気になったとき、
今日のセミナーで好奇心全開で聴き合った体験を
思い出して、
職場の居心地がよくなりますように。

今月は女性向けのコミュニケーションのセミナーが
続きましたが、
男性にも身につけていただきたいなぁと思います。