ひとのわにっきBlog

カテゴリー:組織活性化

友人の記事から組織への感謝の心を学ぶ

日本経済新聞の朝刊19面のWomen@Work
「新常態での介護 仕事とどう両立」に
長年仲良くしている友人が
この春、テレワークの制度を活用されて
ご実家のお父さまの介護をされているお話が
掲載されています。

彼女は会社でも上司や同僚だけでなく、
他部署の方々からも相談ごとをもちかけられ、、
ご実家、ご主人のご両親のお世話もされていて、
私たち友人もいつも頼ってしまうのですが、
いつも自然体で、周りに気を遣わせることなく、
細やかに気を配ってくれる人です。

それだけでも並み外れていますが、
何度お話を聴いてもすごいなぁと思うのが、
周りから感謝されたり褒められたりしても、
「おかげさまで」「~さんのお力添えで」と
必ず謝辞を忘れないのです。

この記事でも、会社に制度があることや、
コロナのおかげで制度を使えたことなどを
話しています。

なかなかできることではありませんが、
これこそが、職場で育児や介護を両立できる秘訣
なのではないかなぁと思います。

制度や職場に感謝する気持ちが伝わるから、
周りの人も心から応援や協力したくなりますし、
それがまたうれしくて感謝するという循環が
職場の中で生まれていくのでしょう。

人の心と心がつながっていく、
つい私は「ひとのわ」がつながっていきますね、と
屋号と結びつけて説明したくなるのですが……

感謝の気持ちを忘れず、
自分からよい循環を創り出していきたい、
そんな大事なことを、友人の記事から学びました。

早速、感謝の輪をつなげていこうと思います。

テレワークとコミュニケーション

コロナウイルスの感染予防で、
業種や職種、テレワーク体制の準備状況によって
在宅勤務を推奨する会社が増えていますね。

報道を見て、
以前、在宅勤務を導入した会社の管理職の方から
相談を受けたことを思い出しました。

「部下が会社に来なくなっちゃったんですよ。」

1人で仕事を完結できるベテランや中堅社員さんが
出勤しない日が増えて、
新人や若手社員を育てられないし、
チームワークがとれないというお悩みでした。

社員さんからお話を聴いてみると、
どうやら真の問題は、別のところにありそうです。

社員さんたちも、本当は出勤して
同僚と話したり後輩の相談にのったりしたいし、
会社に置いている資料も見たいけれど、

職場にいると、
「あの資料どこだっけ?」「会議は何時から?」
「ちょっとこれ調べて」「あれは?」「これは?」
上司からひっきりなしに話しかけられ、
作業や思考が分断され、仕事が進まないそうです。

自分の業務に集中するために、
在宅勤務導入前には、カフェなどに作業をしに行き、
今は、在宅勤務を選んでいるのです。

「職場のコミュニケーション、大事ですよね?」

ことばだけ聴くとうなずきたくなりますが、
職場のコミュニケーションとは何か、
何のためにコミュニケーションをとるのか、
ここから考えてみる余地がありそうです。

ちょっと雑談して息抜きするのも、
親睦を深めることも大切です。
困ったときや急ぎの案件では、
周りの手を止めて助けてもらうことも大事でしょう。

もし、コミュニケーションをとろうとして
一生懸命話しかけているのなら、
ちょっと作戦を変えて、聴き役になってみませんか?

部下ががんばっている話を聴いてねぎらったり。
困ったことはないか、サポートできることはないか、
確認したり。

職場に帰ってきたら、いいことがあるなぁ、
聴いてもらえて元気がでるなぁ、
相談にのってもらえて仕事が進むなぁと思えば、
職場に来たくなると思います。

そして、サポートしてくれる上司の役に立ちたくて、
喜んで手伝ってくれるようになるでしょう。

数日で変わるものではないでしょうが、
在宅勤務や直行直帰で顔を合わせない部下の方々に、
「何かサポートしてほしいことはない?」と
時々声をかけてつながりをつくるところから
始めてみませんか?

よい組織をつくるには摩擦熱が必要

「リーダーとして新しい組織やチームを率いるとき、
 混乱期がくるものだと知っておいてください。」

リーダーシップ研修や組織開発のお仕事では、
心理学者のタックマンの「チーム形成の5ステップ」を
よく説明しています。

チームは、
形成期→混乱期→統一期→成熟期→解散期
というステップで進化していくという理論です。

チームリーダーや管理職になったとき、
意気揚々とビジョンや目的を語り、
メンバーが打ち解けてきたかなぁと思っていたら、
意見のぶつかり合いが起こったり、
部下から不満を訴えられたりすることが出てきます。

リーダーとして自信をなくしそうな場面ですが、
あらかじめ、
それは決して失敗なのではなく、
組織やチームが進化している証拠だと知っておけば、
動揺が少しでも和らぐのではないかと思うからです。

それでもやはり、
実際に自分のチームで衝突が起これば、
落ち込んでしまうとは思うのですが。。。

タックマンによると、
メンバーがそれぞれに意図や役割を解釈し、
貢献しよう、成果を上げようと思うから意見を出し、
ばらばらに動いてしまうため、
一時的にパフォーマンスが下がるのだそうです。

衝突して問題が表面化し、
話し合いを重ねることでお互いを理解し、
チームとして統一感が生まれていくのです。

と、客観的には穏やかに伝えることができますが、
私自身、実際にチームでお仕事をするときには、
意見がぶつかったり、方向性が分かれると、
できれば衝突は避けたいと願います。

私は人一倍争いごとや競争が苦手で、
ストレングスファインダーという強み診断テストでは
「競争性」は34の特性のうち下から2番めです。

平然と衝突を見守ることができるリーダーなんて
いるんだろうか、とさえ、思っていました。

先日、尊敬する経営者さんの名言に、
「わぁ、さすがですね」と感嘆しました。

「何かを変えようと思うと、必ず抵抗はある。
 そりゃ、腹は立つよ。
 何言ってるんだ!と言いたくなるよ。
 でも、良い会社、良い組織にするためには、
 大きな熱量がいる。
 摩擦熱が必要なんだよ。」

苦労を乗り越えてこられた社長さんだからこそ、
あたたかい笑顔でおっしゃることばには、
ずっしりと重みがあります。

闘うくらいなら・・・と、
自分の意見を表明することなく
一緒にお仕事をしていたチームやグループから
離れてしまったことがある私には、
ど真ん中を撃ち抜かれたように響きます。

摩擦熱がよい組織をつくる。
この言葉を胸に、
次回こそ、お互いに意見をぶつけあって、
良いお仕事がしたいです。

セミナーで共感力のパワフルさを体感する

堺商工会議所で女性限定セミナー
「共感力を活かすコミュニケーション力UP」を
開催しました。

働き方改革、生産性向上が叫ばれる今、
女性(女性性)が持つ共感力が「ひとのわ」をつなぎ、
働きやすい職場をつくるために求められていることを
力説し、あとは、演習三昧で聴く力を磨きます。

Points of Youの写真カードを選んで、
どう感じたか、どう見えたかを自由に語ります。

思いもよらない見方や発想で語る相手に好奇心を向け、
おもしろがって聴いてみると、
初対面の人とこんなに話せるの?という声が出るくらい、
心を開いて本音や夢が語られます。

中には、友人にも話していないお悩みを打ち明けたり、
私、こんなこと考えてたんだ、と驚いていたり、
笑顔があふれ、そのエネルギーに圧倒されます。

職場でもこんなふうに聴けるの?話せるの?と
思われるかもしれませんが、
1回あたり、1人が話した時間は3~5分です。

お仕事中におしゃべりに興じるのではなく、
短い休憩時間やちょっとした空き時間、
立ち話でも歩きながらでも話せる時間です。

「そうじゃなくて、」と遮る代わりに、
「へ~、それで?」とおもしろがって
ほんの数分耳を傾けるだけで、
人と人がつながり、職場の雰囲気がよくなります。

だからといって、
毎回毎回、聴かなくてもいいんです。
余裕がないときに、無理に聴かなくていいんです。

あー、聴いてあげればよかったなぁと思った後や、
気持ちに余裕ができたとき、
何かあったのかな?と気になったとき、
今日のセミナーで好奇心全開で聴き合った体験を
思い出して、
職場の居心地がよくなりますように。

今月は女性向けのコミュニケーションのセミナーが
続きましたが、
男性にも身につけていただきたいなぁと思います。

システムコーチング体験セミナーで見えない関係性を見る

公益財団法人関西生産性本部で
「システムコーチングの体験」セミナーを行いました。

システムコーチング
(ORSC:Organization & Relationship Systems Coaching)は
組織やチーム、家族などの関係性を扱うコーチングです。

私が強調したのは、
目に見えない関係性の問題は、
誰かが特定の制度や部署や人が悪いのではなく、
「システムの声」としてどこかに表れていると
とらえてください、ということです。

「○○が悪い」と定義づけたくなりますが、
仮に、見ないふりをして目を背けても、
チェックリストなどを作って表面的に管理しても、
仲が悪い人どうしを切り離しても、
問題は、別の形で現れることが多いですよね。

目に見えない関係性を紐解くということを
イメージしやすくするために、
コンステレーション(星座)のワークを体験して
いただくと、
意識していなかった課題に気づいた方も多く、
グループで意見交換が尽きませんでした。

特定の組織に対してシステムコーチングを提供するのが
一般的な形ですが、
経営者や管理職の方々に、自分の組織を客観的に眺め、
思わぬ解決策を発見する機会として、
体験セミナーも意義があるなぁと感じました。

組織の中のアサーション

アサーション、アサーティブネスについて
学んだことや聞かれたことはありますか?

一言で言うと、
関係性の中で、自分も相手も尊重する自己表現です。

私はこれまでにも何度か
日本のアサーションの第一人者、平木典子先生から
学ぶ機会を得ていますが、この連休中の2日間は、
「協働のためのアサーショントレーニング」を
学んできました。

組織の中で、自分らしさも相手らしさも活かすには、
1人1人がアサーティブでいられるか、
組織自体がアサーティブであるか、が問われます。

・人と違う考えや価値観を持ってもOK、
・人と違う行動をとってもOK、
・意見を伝える権利も、伝えない権利もある
という
基本的な人権であるアサーション権を尊重しつつ、

・組織の課題達成
・関係性の形成・維持
・個人の要望
の3つの機能を満たすように関わっていくのは、
そう簡単なことではありません。

今回、演習に参加する側、オブザーブする側の
両面を体験してみて、
会議運営のファシリテーターとして、
第三者が存在することの意味も実感しました。

会議運営をサポートする場面、
研修で伝える機会に、
今回学んだことを盛り込んで伝えていきます。

心理的安全とは

大学時代から臨床心理学を学び、
カウンセリングやコーチングと長年つきあっていると、
最近、マインドフルネス、1 on 1などのテーマで
研修や講演を依頼される機会が増えているのは、
とてもうれしく思います。

かっこいい横文字名称がつき、
グーグルやヤフーの成功事例が話題になっていますが、
「今ここに集中すること」「相手の話を傾聴すること」
などは、昔から大事だと言われ続けているので、
ここ数年ブームのように話題になっている現象は
不思議に思っていました。

中原淳先生のブログを読んで、
もやもやしていたことが見事にことばにされていて、
納得しました。
 →「心理的安全バブル」にご注意を!!

心理的安全とは、
ハーバード大学のエドモンドソン教授が1999年に
論文に書かれた概念で、
「このチームで、もしリスクをとったとしても、
 対人関係上(亀裂や破壊がおこらない)であろう」
という(チームに)共有された信念」だそうです。

中原先生は、「仲良くすること」とはちょっと違うと
警鐘を鳴らされています。

詳しくは上記のURLを読んでいただくとして、
私がとらえたことばで説明すると、
根っこにあるゆるぎない信頼関係のことで、
安心してリスクをとれる関係、
耳の痛いことや反論を言い合っても大丈夫な関係、
という言い方が通じやすいかなと思います。

心理的安全ということばは美しい響きですが、
なれあいや、甘やかすことではなく、
組織にとって必要な選択ができる愛情と覚悟を
求められているのだと思います。

Points of Youを使った研修で好奇心全開の傾聴力を養う

研修で、対話の力を実感していただきたくて、
Points of Youのカードを使用したところ、
驚くほどの傾聴の実践練習ができました。

気になる写真を選び、
数年後になりたい自分について語り合うと、
「えー? そう見えるんだ。」
「へー、そこに注目する?」などと、
相手の着眼点やストーリーに好奇心を向け、
相手の世界を探り、
自分の視点との違いを楽しむ聴き方ができています。

会場のあちこちで、
もっと聴かせて、と前のめりに話を聴き合い、
休憩時間になっても対話が続きました。
お仕事では、特に利害や思い入れのある話題では、
毎回毎回このように傾聴できるとは限りません。
それでも、
相手の意見を好奇心全開で最後まで聴く体験、
自分のアイデアを尊重して聴いてもらう体験を
一度でも味わったことは、
これからのお仕事でも役に立つことでしょう。

コミュニケーション研修で本気で聴くと話したくなることを実感する

人は、好奇心を向けて真剣に聴いてくれる人がいると、
どんどん話したくなり、前向きな気持ちになることを、
研修で改めて実感しました。

毎年呼んでくださっている金融機関さまで
「職場のコミュニケーション」の研修を行いました。

開始前には私語1つ聞こえないほど静かな会場が、
短い時間で身につく演習を重ねるうちに
笑い声があふれ、感想を口々に語る場になります。

お互いに話を聴きあう演習では、
「えー、3分?長くない?」と言っていた人たちが
「はい、そこまででーす。」と時間を知らせると
「えー、短いー」と話が止まりません。

これが職場の日常の光景になれば、
なんてステキな会社、職場になるのだろうと
わくわくしませんか?

うれしいことがあれば、一緒に喜んでもらえるし、
困ったことがあっても、会社に戻れば聞いてもらえて、
一緒に考えてもらえばアイデアも浮かびます。

そんな会社は夢物語・・・なのでばなく、
コミュニケーションの楽しさや奥深さを知って、
実践を続ければ、本当に実現します。

帰りに、事務局の方に、
「外まで笑い声が聞こえてきましたよ。
 毎年この研修で仲良くなるんですよね。」と
言っていただいて、
うれしい気持ちで明日の研修会場に向かいました。

コミュニケーションの研修はやったことがあるよ、
研修ではできても、職場では難しいよね、
などと思っている方がいらっしゃったら、
一度、試してみませんか?

コーチング:即時フィードバックで人間関係が変わる

コーチや研修講師として、
クライアントさんや研修参加者のよいところに
気づいたときに、
すかさずフィードバックすることを心がけています。

長年このお仕事をしていると、いつのまにか、
コーチングや研修のとき以外にも、
習慣になっていることに気づく出来事がありました。

先日、久しぶりに会った友人と食事に行ったときに、
バーニャカウダを持ってきてくれた店員さんが
珍しいお野菜を1つ1つ丁寧に説明してくれたので、
「これ全部覚えてるんですね。
 聞いたことない名前がすらすら出るんですね。」と
話しかけました。

店員さんがテーブルを離れた後で、
「ふだんの会話の中でもフィードバックするんだね。
 さすがコーチだね。」
と、友人からもすかさずフィードバックをもらって、
無意識にとっていた行動に気づかされました。

フィードバックされると、
自分では気づかずにとっている行動を自覚できる
という体験ができました。

その店員さんはうれしそうな笑顔になって、
私たちのテーブルへのサービスがよくなったような
気がします。
ちょっとした一言でモチベーションが上がるなら、
ふだんから意識してさりげなく声をかけたいなぁと
感じた出来事でした。

この記事を読んでくださったみなさまも、
上司や同僚、後輩、ご家族などの身近な方に、
ぜひさりげなく気づいたことを伝えてみませんか?

ほめよう、かっこいい言い方をしようと気負わずに、
感想をつぶやくような感覚で、
気づいたことを口にしてみてください。