ひとのわにっきBlog

カテゴリー:人材育成

評価は応援するためのもの

未来の先生フォーラム探求学習特別篇を
視聴しました。

京都市立堀川高校元校長の荒瀬克己先生の
基調講演で、
「評価は生徒を応援するため」ということばに
心が震えました。

生徒1人1人の強みを見つけ、
やりたいことを応援するために行うもの、
ということです。

今月も来月も、教育委員会で研修や講演をする
機会をいただいているので、
この視点を肝に銘じて登壇します。

それと同時に、
企業の上司部下の評価も同じことですよね。

ダメ出しではなく、
部下の能力を伸ばし、モチベーションを引き出して
部下も職場も成長していくために
評価や面談があると思えば、幸せに感じませんか?

きれいごと、と思われるかもしれませんが、
部課長さまとの1on1コーチングが多い時期なので、
本気でそう信じて、クライアントさんたちを
応援しようと思います。

テレワーク下での雑談の試みをご紹介

テレワークで1人でお仕事をする機会が増えて、
ちょっとした雑談の大切さが注目されていますが、
みなさんはどんな工夫をされていますか?

雑談は本来、出勤していれば、
始業前や休憩時間、すれ違ったとき、
興味のある話題が耳に入ったとき、などに
偶発的に生まれるものですが、
テレワークでは、
偶然顔を合わせるということがありません。

オンライン会議や朝礼、個別の相談の合間に
プライベートなことも聴いたり、
おしゃべり会のような時間を設けたり、
工夫をされている方も多いですが、
それでも改まった感じは拭えないようです。

ある部長さんに聞いた事例をご紹介します。

部下からのアイデアで、
「試しに2時間、オンラインで画面も音声もオンで
 つなぎっぱなしにして、自分の仕事をする」
という試みをされたそうです。

オンラインの画面の上に他のファイルを広げれば
つながっていることは気にならず、
・キーボードを打つ音や資料をめくる音などが
 耳に入ったり、
・画面を見て「何飲んでるの?おいしそう」と
 話しかけたり、
・「あー、あのファイルがない。どこだ~」と
 独り言をつぶやいたら誰かが答えてくれたり、
・電話のやりとりが聞こえて、
 「今の〇〇さん?何かあった?」と声をかけたり、
・お客さまとの日程調整中、
 「〇〇さーん、明日の〇時あいてますか?」と
 その場で調整できてお客さまに驚かれたり、
などなど、
孤独感を感じずに仕事がはかどったという声が
多かったそうです。

メンバーに好評だったので、
その後も時々実施されているそうです。

決してこのまま真似をすることを
おすすめしたいわけではありません。

この職場はもともと和気藹々とやりとりしながら
お仕事をしていたそうなので、
このやり方が合わない会社や職場、
抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。

大事なのは、
部下からの発案で職場に合うアイデアが出たこと、
上司がすぐに採用して実行してみたこと
だと思います。

私には浮かばない発想でしたし、
自分たちで見つけたアイデアを実行されたお話に
私はとっても感動してしまいました。

ぜひみなさまも、何ができるか、
遊び心満載でいろんなアイデアを出し合って、
職場にぴったりな方法を見つけてくださいね。

TV画面に「ほめてください」と叫ぶ

「できていたら黙っています。ほめませんので。」

ANAから高級ホテルに出向した女性の密着取材で、
上司のセリフに愕然としました。
テーブルセッティングを厳しく注意した後に
おっしゃったことばです。

ガイアの夜明け
「ANA 大逆風に立ち向かう
 ~再生に向けた218日の記録~」を
見逃し配信で観ました。

巨額の赤字に転落したANAで、
出向を決めた社員さんたちが
「人件費削減で会社への貢献」と
痛々しいほどに努めて前向きに語る姿に
胸を打たれます。
冒頭の場面もその中の1つです。

上司のみなさん、部下をほめてください!

決して、べた褒めする必要はないのです。

できていることは「できている」「それでOK」と
ただ事実をそのまま伝えてください。

番組に登場された女性社員は、
お客さまをおもてなしする高級な接客は同じでも、
エレベータに乗るお客さまを見送った後、
重い荷物を抱えて階段を駆け上がったり、
観光地の質問に答えるために休日も街を歩いたり、
慣れないお仕事でがんばられています。

会社の業績不振で傷つかれたでしょうし、
初めてのこと続きで自信もなくされたでしょうし、
できているところをできていると言われたら
それだけで勇気づけられ、苦労が報われます。

ただ「これでOK」「できるようになった」と
事実をそのまま伝えるだけで、
部下は「ぼめられた」と感じて、
もっとがんばろう、工夫しようと
モチベーションは格段に上がります。
上司への信頼も上がります。

会社にとってもチームにとっても
何一つデメリットはないはずです。

コーチングや1on1の研修や個別セッションで
スキルやテクニックだけでなく、
こういうことを伝えていきたいと
改めて強く感じました。

生徒のやる気を引き出すことばを一緒に考える

部活動を担当する教員向けの体罰防止を目的とした、
「やる気を引き出す声かけ」研修を担当しました。

重いテーマですが、
うれしいことばをかけてもらうと元気が出ることを
先生方ご自身に体験していただいて、
「生徒たちを元気にする声かけをしよう!」と
思って帰っていただきたかったので、

先生方どうしで意見交換をしていただいたり、
かけてほしいことばをたくさん挙げていただきました。

時節柄、大人数での長時間ワークを避けるため、
3人組で話していただきましたが、
どのグループも和気あいあいと、
相手が生徒だからこそのイマドキの表現など
愛情たっぷりのことばがたくさん出てきました。

その様子を見ていた事務局の先生方が
日ごろは厳しいことばが先行しやすい先生も
積極的にアイデアを出していらっしゃったことを
喜んでいただけて、私もとてもうれしかったです。

菊池雄星選手を育てた花巻東高校の佐々木洋監督が
準々決勝で8回が終わって2点差で負けているときに、
「まだ2点差しかないぞ」
「5点差じゃない、まだ2点差なんだぞ」
とおっしゃったという記事を、
研修テキストの提出ギリギリに偶然見つけて、
一部抜粋して、ある先生に朗読していただきました。
 https://www.chichi.co.jp/web/20181019kokubun/

さすが先生、初見なのにとってもお上手で、
読んでいただいてよかった~と感激しました。

一緒につくる研修、やっぱり大好きです。

偶然出会った書籍をお仕事の準備に活かす

コーチングや研修のお仕事で、
どうすれば相手のお役に立てるのか考え抜いていると、
必要な情報が偶然目に留まることがあります。

私はスポーツにはほとんど興味がありませんが、
最近立て続けに、サッカーの人材育成の本を読みました。

どちらも、ネットで偶然に見つけた本で、
「教えないスキル」のほうは、
副題の「ビジャレアル」というカタカナ用語が
スペインのサッカーチーム名であることも知らずに
手に取ったというのが、正直なところです。

これらの本が私のお仕事にどう関係するかというと、
1つは、コーチングです。

エグゼクティブコーチングのクライアントさんが、
ご自身の課題や職場の状況を話されるときに
よく「サッカーで言うと」とおっしゃるので、
私からも共通の話題や例えが出せると、
コーチングが深まるかなぁと思ったのです。
このクライアントさんには、マネジメントの参考に
この2冊をおすすめしようと思います。

もう1つは、研修です。

ある教育委員会の部活動指導の先生方への研修で
コーチングを応用した指導法をお伝えする参考に、
スポーツの世界での指導の実例やことばを引用して
少しでも関心を高めてもらう題材を探していました。

そうやって本を読み進めているときに、
さらにもう1つ、シンクロニシティが起こりました。

最近人事職に異動された長いおつきあいの友人が
Facebookで、伝え方の参考として、
ビジャレアルの久保建英選手のインタビュー動画を
紹介されていたのです。
どの質問にも短いことばできっぱりと即答されていて、
揺らぎのないまっすぐな目線で語られていて、
引きつけられます。

何か目に見えない力に助けられているようで、
あらゆるものに感謝したい気持ちです。

相乗効果で成長を促進する研修

毎年お招きいただいている企業さまで、
今年も1年め、2年め社員の合同研修を開催しました。

入社年次を超えた合同研修、本当におすすめです。

3-4名のグループ演習を重ねていくと、
昨年は後輩として学んでいた2年め社員が、
今年は先輩として自発的にリーダーシップを発揮して、
グループをまとめていく姿が見られます。

・後輩に質問がないか確認しながら対話を進め、
・後輩の発言を否定せずに聴いて盛り上げて、
・グループ発表のときは、後輩に発表を促して、
・質疑応答は責任をとるように自分が前に出て、

昨年の後輩としての初々しい様子を見ているだけに、
1年でこんなに成長するのか、と
毎年同じような場面に立ち会っていても、
やはり毎年、感動で胸がいっぱいになります。

「役割が人を成長させる」ということばは真実だと
毎年実感します。

人前で話すのが苦手とおっしゃっていた後輩たちも
いつのまにか笑顔で発言する回数が増え、
全体発表でも堂々と話せるようになっていきます。

演習中に披露される職場や業務のお話を通じて、
彼らの上司や先輩方も、
職場で温かく関わってくださっていることが
とてもよく伝わってきます。

イマドキの若者の成長意欲とスピードはめざましく、
素直で前向きで、素晴らしいです。

そして、2人前はありそうなボリュームたっぷりの
お弁当を軽くたいらげるみなさまのパワーも頼もしく、
まだまだこれから成長していく期待を抱いて、
2日間、私も120%の力を出し切りました。

また来年、今年の1年め社員のみなさまが
ぐんぐん成長されてお会いできるのが楽しみです。

新入社員研修でグループコーチング

新入社員研修の一環で、
グループコーチングのセッションを提供する機会を
いただきました。

社会人になって約2週間、
ビジネスマナーや社会人の基本を学び、
職場に必要な知識を社内の講師からも学ぶ中で、
これから職場で活躍するにあたっての不安や期待、
生活の環境も変わって感じていることなどなどを
自由に語っていただきました。

素直で柔らかい感性を持つ彼ら彼女たちと接すると、
私の心が洗われて、
「かわいい~~~」ととろけそうになります。
ついコーチの立場を忘れて、
彼らの質問に私が答えたくなるのですが、
かろうじて立場や役割をグッと握りしめて、
同期の仲間からの知恵を引き出し、
エールを贈り合う場をつくることに努めました。

貴重な新人研修の期間に、
このような時間を設けてくださる企業さまも
すばらしい会社だと思います。

他にも、こういう動きが広がればいいな。

オンライン研修の効果

今年は新入社員研修を数社担当しています。
オンライン研修が多く、1日から3日間まで、
ご要望に合わせて構成して担当しています。

オンラインでは効果や定着が難しいという声も
よく耳にしますが、
学ぶ意欲の高い新入社員さん向けには、
1人ひとりのお顔がアップでよく見えるオンラインは
主体的に学んでいただける効果を感じます。

グループワークでは、他のお部屋の声が遮断され、
集中して取り組むことができますし、
日ごろはおとなしい方も発言しやすいようで、
アウトプットの質が高まるのを感じます

学生時代にZoomで講義を受けていた方も多く、
初めての方も、すぐに慣れて機能を駆使されます。
誰かが発言されると、いいね!や拍手だけでなく、
気軽にハートマークを送りあったり、
全体向けのチャット欄に絵文字を入れたりして
反応を楽しんでいる様子もうかがえます。

講師宛に直接チャットできる機能もあるので、
LINEなどのコミュニケーションに慣れた世代は
休憩時間に、気軽に丁寧な敬語で質問や相談して
くださる方もいらっしゃいます。

実はこれらはすべて、既存の社員向け研修では、
研修担当者の方とのお打ち合わせで、
ネガティブなご意見をいただいていた要素でした。
・直接話せない、
・反応ができない、
・質問しにくい
・他のグループの会話が聞こえず、深まらない、
などなど。

講師や企画側が古い世代の感覚で心配することは
新入社員や若手社員には、杞憂のようです。

幸い、なのかどうかわかりませんが、
実際に合うと小柄で迫力が乏しく、
語りかけるような話し方と声に特徴がある私は、
オンライン研修向きだと言われることが多いです。

若手の方々と同じ感覚というのは厚かましいですが、
相性はよさそうなので、
もっとオンライン研修を積極的に担当しても
いいかもしれないと感じています。

教職員のためのコンプライアンス研修

教育委員会さまで、
教職員の非違行為防止のためのコンプライアンス研修で
「情報リスクから身を守ろう」を開催しました。

オンライン研修が初めての先生方が多い中、
受け取る情報、発信する情報を適切に管理して、
ご多忙な中でも当たり前のことを日々確実に行う
凡事徹底の大切さや、
SNSやネットでの情報発信の注意点や盲点などを
説明しました。

何かが起こってからでは遅いですし、
取るに足りないようなことでも、身元が特定され、
拡散され炎上されてしまうご時世だからこそ、
余計なトラブルに巻き込まれることがないように
少しでもお役に立てていたらいいなぁと思います。

研修が続々と中止になってしまう中で、
慣れないオンライン研修を実施していただいたことに
感謝します。

制約下の研修で成果が上がる

大事な研修だから十分な対策をとって開催したいと
言ってくださるお気持ちがうれしくて、
2日間、集合研修を行いました。

毎年リピートしていただいている研修ですが、
今年は、大幅に内容を作り変えました。
レイアウトもスクール形式に変更して間隔を空け、
私もマウスシールドをつけて登壇しました。

新入社員と先輩との合同研修ですが、
喧々諤々話し合う大がかりな演習を避けて、
3人組の小さなグループのミニ演習を繰り返すと、

先輩社員はグループをまとめる機会が増えたせいか、
責任と自覚を持ってリーダーシップを発揮され、
新入社員さんは目を輝かせて先輩方のお話を聴き、
意欲的に発言や質問をされます。

もしかすると例年以上に研修の場の効果が発揮され、
成長されたかもしれません。

広い研修会場や食事場所を準備してくださって、
休憩時間ごとに消毒や換気をされ、
最善を尽くして研修をサポートされた人事の方も
社員のみなさまの成長ぶりを喜んでくださって、
講師としてほっとしました。

来年、従来通りに研修を行えるようになっても
取り入れて工夫できることがあるかもしれません。
さらにアップグレードできるよう、工夫を重ねます。