ひとのわにっきBlog

カテゴリー:人材育成

教職員のためのコンプライアンス研修

教育委員会さまで、
教職員の非違行為防止のためのコンプライアンス研修で
「情報リスクから身を守ろう」を開催しました。

オンライン研修が初めての先生方が多い中、
受け取る情報、発信する情報を適切に管理して、
ご多忙な中でも当たり前のことを日々確実に行う
凡事徹底の大切さや、
SNSやネットでの情報発信の注意点や盲点などを
説明しました。

何かが起こってからでは遅いですし、
取るに足りないようなことでも、身元が特定され、
拡散され炎上されてしまうご時世だからこそ、
余計なトラブルに巻き込まれることがないように
少しでもお役に立てていたらいいなぁと思います。

研修が続々と中止になってしまう中で、
慣れないオンライン研修を実施していただいたことに
感謝します。

制約下の研修で成果が上がる

大事な研修だから十分な対策をとって開催したいと
言ってくださるお気持ちがうれしくて、
2日間、集合研修を行いました。

毎年リピートしていただいている研修ですが、
今年は、大幅に内容を作り変えました。
レイアウトもスクール形式に変更して間隔を空け、
私もマウスシールドをつけて登壇しました。

新入社員と先輩との合同研修ですが、
喧々諤々話し合う大がかりな演習を避けて、
3人組の小さなグループのミニ演習を繰り返すと、

先輩社員はグループをまとめる機会が増えたせいか、
責任と自覚を持ってリーダーシップを発揮され、
新入社員さんは目を輝かせて先輩方のお話を聴き、
意欲的に発言や質問をされます。

もしかすると例年以上に研修の場の効果が発揮され、
成長されたかもしれません。

広い研修会場や食事場所を準備してくださって、
休憩時間ごとに消毒や換気をされ、
最善を尽くして研修をサポートされた人事の方も
社員のみなさまの成長ぶりを喜んでくださって、
講師としてほっとしました。

来年、従来通りに研修を行えるようになっても
取り入れて工夫できることがあるかもしれません。
さらにアップグレードできるよう、工夫を重ねます。

部活動指導の先生方にコーチングの問いかけと声かけを伝える

教育委員会主催の中学校、高校の先生向けの研修で
日常の「問いかけと声かけ」に絞って
コーチングのエッセンスをお伝えしました。

聴くこと、受け止めることを練習するよりも
発信の仕方を変えることを優先したのです。

これは部活動指導における体罰防止が目的の研修で、
ご依頼をいただいたとき、

熱血漢だからこそ指導に熱が入り、
生徒のことを思う気持ちが強いあまり、
ときには勢い余ってしまう先生像が浮かびました。

そこで、そのエネルギーをうまく使って、
パワフルな問いかけや激励の声かけに変換するほうが
生徒たちとよい関係を築くのに役にたつのでは?と
思ったのです。

そして、研修の目玉として、秘策を用意しました。

私のお仕事の恩師の本間正人先生のオンライン講座を
ステイホーム期間に受講したときに、
偶然ご一緒しただけの面識のない現役の高校の先生が、
「インタビュー動画を撮らせてください!」と
お願いしたのです。

Tさん(ニックネーム)は快諾してくださって、
過去のご経験を赤裸々にオープンに話してくださり、
胸を打つステキな動画ができました。

研修に参加された先生方は前のめりで視聴され、
その後のグループ討議では、
率直なご感想やご意見がたくさん飛び交いました。

その後、よくある場面の会話例を考えていただくと、
「こう言えばいいのでは?」
「実際にそんなふうに言えるかなぁ」
「じゃあ、こうすれば?」と、意見交換が続き、
日ごろの熱心さや生徒への思いがあふれ、
真剣に学び取ろうとされる姿勢が伝わってきます。

思春期の生徒たちが、先生方の深い愛情に気づくのは、
卒業されてからかもしれません。
就職して部下をもったとき、お子さんが生まれてから、
もしかしたらもっと年齢を重ねてから、
「あのときの先生はこんなに自分たちを信じて、
 真剣に関わってくれたんだなぁ」と
懐かしく振り返るのかもしれません。

そんな関係をつくることができるよう、
私ももっとお役にたちたいなぁという気持ちが
止まらなくなります。

現場に行って直接フォローできればいいのに、
先生方の行動にプラスのフィードバックを伝えて
応援したい、と思いながら研修を終えました。

新人の学ぶ姿勢から学ぶこと

「新人さんですか?」

おつかいもののお菓子を買いに行くと、
大きな名札をつけた店員さんが緊張しながら
一生懸命に接客してくださって、
思わず、がんばって!と応援したくなり、

「〇〇お1つですね?」と復唱し、
斜め後ろを振り返って先輩の顔を見てから
商品を手に取り、
電卓で計算した金額を先輩に見せ……

一言話す前に、
1つ動作をする前に、
毎回先輩がうなずくのを見てから動いています。

すっかり忘れていたフレッシュが姿勢に触れて、
見ている私の気持ちも柔らかくほぐれていきます。

ポイントカードの説明やクレジットカードの扱いは
まだ手順を覚えていないようで、
先輩店員さんが
「すみません。お待たせしてしまいますね」と
気を遣って交代しようとされたので、

「大丈夫ですよ。
 急いでいないので、どうぞごゆっくり。
 一生懸命接客してもらえてうれしいです」と
マスク越しに笑顔を向けました。

「ありがとうございました」
教科書どおりの美しいお辞儀で見送ってくださり、
いい教育を受けているんだなぁとうれしくなりました。

毎年、新入社員研修の講師をするときには、
「お仕事は先輩から学ぶことばかりですが、
 先輩方は、みなさんの一生懸命な態度をみて
 初心を思い出し、気持ちが引き締まるので、
 それだけで先輩方のお役に立つのです」と
エールを贈って、職場に送り出します。

今年も、来週からいくつかの新入社員研修で
社会人としての心構えや立ち振る舞いを伝える機会が
あるはずでした。
新型ウイルスの影響で全てキャンセルになり、
職場ごとに先輩から習うようです。

急に教えることになった先輩方も大変でしょうが、
1つ1つ教えたとおりに行動しようとする姿に、
しっかりしなければ!と先輩の自覚が生まれ、
後輩の成長を願う気持ちが生まれることでしょう。

全体の集合研修にもメリットはあるのですが、
この状況を新しいことを試すチャンスに変えて、
新人さんも先輩も、相乗効果を最大限に生み出して、
働きやすい職場風土が育つことを願っています。

モチベーション曲線で価値観を探る

モチベーション曲線を描いたことがありますか?

やる気グラフ、人生曲線、ライフラインなど
他にもいろんな呼び方をされています。
横軸に年齢をとり、
モチベーションの高低を描いていくものです。

どうする?働かないおじさん

という、身も蓋もないタイトルがついた
日経ビジネス2020.03.16号でも紹介されています。

「働かないおじさん」かどうかはわかりませんが、
企業研修でも、40代、50代の節目になると、
セカンドキャリアを考えよう、
退職後の新しい生き方を考えよう、と
キャリア研修を設けられます。

その中でも、この曲線を扱うことが多いですし、
若手やリーダー層の研修でも、
成長を振り返るとき、
モチベーションの源を探るとき、などに用います。
コーチングの新しいクライアントさんとの
オリエンテーションで描いてもらうこともあります。

描くことが目的ではなく、
どう読み取るか、振り返りがポイントです。

高いときのできごとを話しながら、
自分はどんなときにモチベーションが高まるのか、
共通するキーワードは何か、

低いときのできごとを見て、
どんなことがあるとモチベーションが下がるのか、
何が損なわれると意気消沈するのか、
大事にしている価値観を探っていきます。

モチベーションが上下するきっかけは、
外からの環境やできごとの影響かもしれませんが、
同じことに直面しても影響を受けない人もいます。

つまり、影響を受けるのは自分らしさの表れです。
なので、このグラフを書いて振り返ってみることで、
自分の価値観やモチベーションの源がわかります。

それがわかれば、
気が進まないことに取り組まないといけないとき、
失敗して落ち込んだとき、
なんとなく気分が乗らないとき、などに、
ちょっとしたうれしいことを見つけて、
自分のやる気スイッチを押すことができます。

在宅勤務などで少し時間ができた方も、
年度末で面談を控えた方も、
前に書いたことがある方も、
モチベーション曲線を描いてみませんか?

思わぬ自分の取扱説明書が見つかるかもしれません。

新入社員のつながりをつくってほしい

1件だけ保留のままになっていた新入社員研修も
中止の連絡が入りました。
私が4月に担当する予定だった新入社員研修は
これでゼロになりました。前代未聞です。

事業所ごとに先輩が教えられるそうなので、
職場になじむのは早いかもしれません。

新卒の集合研修は、
学ぶ内容や学習効率以上に、
同期入社どうしが毎日顔を合わせることで、
社会に出る不安や緊張感がほぐれ、
年齢や出身、職種や事業所を超えて、
同期のつながりができる貴重な機会です。

私が新入社員研修を受けたのはかなり昔ですが、
わけもわからず怒られ、
右往左往しながら課題をこなし、
製品を触らせてもらって興味をひかれたことや、
講師や先輩方から聴いたエピソードなどは
今でも記憶に残っています。

それぞればらばらに配属されてからも、
同じ事業所の同期とお昼休みに集まって、
他愛ないおしゃべりをして緊張がほぐれたり、
他部署とのお仕事の違いに驚いたり、
失敗を笑い飛ばしたり慰めあったりして、
心の支えになりました。

数年たつと、
仕事上で他部署との連携が必要になったときには、
その部署に同期がいると心強くて、
上司や先輩に聞きにくいことを事前に教えてもらい、
仕事も進みやすくなりました。

4月の集合研修がなくなっても、
SNSや社内ネットワークでつながれるでしょうし、
半年後や1年後など、ともに学ぶ機会を設けて、
利害関係のないフラットな同期のつながりを
積極的に築いてほしいなぁと願います。

今年の新卒のみなさんは、
卒業式、入社式、研修が次々と中止や縮小され、
他の年にはない経験をされています。
あのときは大変だったね~と笑い合える日々が
早く訪れてほしいです。

私もこの2-4月は経済的に大痛手ですが、
同じく、笑い飛ばせる日を待ち焦がれています。

コーチング研修事例紹介:「高校生の娘が部屋に入れてくれたんです!」

   ~事例掲載の許可をいただいています~

「高校生の娘が、部屋に入れてくれたんです!」

幹部向けのコーチング研修の2日めの朝、
私の到着を待ち構えていた男性が、
駆け寄るように報告してくださいました。

「またスマホばっかり見て」
いつものように文句を言いたいところをぐっと我慢して、

「楽しそうだな。そんなに面白いのか?」
と問いかけてみたところ、
 ミニドラマが毎晩9時に動画配信されること、
 早く続きが見たくて毎日楽しみにしていること、
 原作本をお小遣いで買っていること、など、
うれしそうにたくさん話してくれました。

「本もあるのか?」
「あるよ。パパ、見に来る?」

「いやぁ、年をとってからできた子でしょ。
 友達のお父さんより老けてるし、
 禿げてるからかっこ悪いって、嫌われててね。
 話しかけても返事もしてくれないんですよ。
 それがねぇ、
 小学校以来かなぁ、5年ぶりぐらいですよ。
 部屋に入れてもらったの。」

目尻が下がったまろやかな笑顔で、
なめらかにお話が続きます。

やや強面のお顔立ちの方で、
自分にも部下にも厳しいお仕事ぶりで、
初日は、
研修なんてめんどくさいなぁと言いたそうな面持ちで、
一番後ろの席に陣取っていらっしゃいました。

それが、2日めは30分以上早く来られ、
最前列に座られています。

本当に昨日と同じ人ですか?
と言いたくなるほどの変化に、
他の幹部のみなさまも興味津々で彼を取り囲み、
ヒーローインタビューさながらに、
質問が止まりません。

「コーチングって、魔法ですねぇ。
 先生は魔術師ですか?」

いえいえ、魔法を起こしたのは、あなたです。
実際に行動を起こした、あなた自身の力です。

講師の私は、
コーチングのスキルを職場や家庭で使えるように、
信頼関係を構築するための話の聴き方をお伝えし、
身につけられるように演習をしていただいた後、
「身近な部下やご家族の方のお話を、
 好奇心を全開にして、
 丁寧に最後まで聴いてきてください」
と宿題を出しただけですから。

相手が話してくれないのは、
 どうせ聴いてもらえないと思うから。
相手が何度も同じことを話すのは、
 ちゃんと聴いてもらえないから。

うなずき、あいづち、繰り返し。
一生懸命聴くことで、
安心できる職場や家庭が増えると信じています。

この事例を紹介することを許可してくださったので、
幸せな上司や職場が増えるように願いを込めて、
幹部や管理職向けの研修でお話ししようと思います。

成果が上がる職場づくりのために「話を聴く効果」

ひとのわのコーチングセミナーでは、
職場ですぐに実践できるように、
少しずつ上達できる演習をご用意しています。

2時間のセミナーの後半には、
聴き手になったみなさんの表情がとても優しくて、
会議室が柔らかい空気に包まれます。

職場で、こんなふうに上司に話を聴いてもらえたら、
会社や職場が居心地よくて大好きになりそうです。

公益財団法人東大阪市産業創造勤労者支援機構の
2週連続のコーチングセミナー
「成果が上がる職場づくりのヒントを学ぶ」を
開催しました。

1日めのテーマは「話を聴く効果」です。

地元の経営者さんに関心の高いテーマだったようで、
早くから多くのお申込みをいただきました。

部下の力を引き出すために話を聴くことが
会社や組織の成果につながることを伝えた後で、
まず、成功体験を聴く練習をして、
さらに、お悩み相談へとレベルアップを図ります。

お悩み相談の演習では、
「問題解決しない」「アドバイスしない」と強調して、
ひたすら聴くことに徹していただくと、
冒頭に書いた通り、
お悩みに寄り添ってくれる素晴らしい聴き手が
大勢誕生しました。

2週連続セミナーなので、
来週までの1週間、
多少ぎこちなくても、部下の前で照れたとしても、
お話を聴く実験をしてきてください、と
エールを贈って締めくくりました。

来週は、「意見とやる気を引き出すコツ」。

これを知ると、さらにスムーズに聴きやすくなるので、
来週も一緒に楽しく学べますように。

生きている醍醐味は人の夢を応援できること

「生きている醍醐味って
 人の夢を応援できることじゃないかと思うんですよね」

株式会社サンリオエンターテイメント代表取締役で
心から尊敬する小巻亜矢さんが
NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で
おっしゃったことばが胸に深く刺さりました。

亜矢さんとは
NPO法人ハロードリーム実行委員会を立ち上げられる
少し前からの長いおつきあいで、
 http://www.hello-dream.com/
亜矢さんの考え方やお仕事ぶりに触れるたびに
毎回大いに感銘を受け、励まされてきました。

番組の中でも、スタッフとの面談や部下との会議で、
コーチングを用いた問いかけや承認をされていて、
亜矢さんと話す方々が次々と笑顔になっていく様子が
描かれています。

今年は書籍も3冊出版され、TVにもよく登場されていて、
直接お目にかかる機会は減っていても、
その都度、今必要なメッセージを受け取っています。

「生きている醍醐味は、人の夢を応援できること」

コーチングや経営相談、起業支援を仕事にする私には
何より勇気が出る座右の銘になりました。

対人支援のお仕事をしていると、つい、
本当にお役に立っているのだろうか、
もっと直接的なアドバイスをしたほうがいいのか、
などと、迷うこともありますが、

コーチのお仕事は、人の夢を応援すること。

人に話すと
「そんな夢みたいなこと」と言われそうなことを
本気で聴き、
クライアントさんご自身が夢を叶えられるよう、
本気で応援するのがお仕事です。

「生きている醍醐味は、人の夢を応援できること」

このことばを胸に、
これからも真剣に真摯に、
あなたやあなたの会社の夢を応援します。

分担して教え合う学習効果

私の研修では、
テーマに沿った演習を準備して、
主体的に参加し、丁寧に振り返ることを通して、
自ら学び取り、職場で実践することを重視します。

文献や施策を理解しなければならない研修でも、
項目を分担して教え合う方法を取り入れています。

担当箇所は、仲間に伝えるために真剣に向き合い、
別の箇所を一生懸命説明する仲間の解説も
応援する気持ちで集中して聴くので、
頭に入りやすくなります。

講師の講義もこれくらい真剣に聴いてほしいなぁと
思うくらい、学び合う場が生まれます。

今日の日経MJのトップ記事に
「読まない読書会 育てるヒット作」と題して、
ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)が
紹介されています。

ABDは、1冊の書籍を10数ページずつに分割し、
その場で担当ページの要約を作成して発表し、
対話を通して、書籍の概要を把握する読書法です。

私が教え合う方法を取り入れるようになったのは、
記憶を定着させるには、
他人に教えることが一番有効だという、
ラーニングピラミッドの理論から発案したのですが、
ABDと目的や手法が共通しているように思います。

社員を研修に参加させる上司のみなさまも、
職場の会議の一部の時間を使って、
参加者が研修で学んだことを教える場を設ければ、
研修効果が何倍にも膨らみますよ。
費用対効果を高めるためにも、おすすめします。