ひとのわにっきBlog

カテゴリー:人材育成

新入社員のつながりをつくってほしい

1件だけ保留のままになっていた新入社員研修も
中止の連絡が入りました。
私が4月に担当する予定だった新入社員研修は
これでゼロになりました。前代未聞です。

事業所ごとに先輩が教えられるそうなので、
職場になじむのは早いかもしれません。

新卒の集合研修は、
学ぶ内容や学習効率以上に、
同期入社どうしが毎日顔を合わせることで、
社会に出る不安や緊張感がほぐれ、
年齢や出身、職種や事業所を超えて、
同期のつながりができる貴重な機会です。

私が新入社員研修を受けたのはかなり昔ですが、
わけもわからず怒られ、
右往左往しながら課題をこなし、
製品を触らせてもらって興味をひかれたことや、
講師や先輩方から聴いたエピソードなどは
今でも記憶に残っています。

それぞればらばらに配属されてからも、
同じ事業所の同期とお昼休みに集まって、
他愛ないおしゃべりをして緊張がほぐれたり、
他部署とのお仕事の違いに驚いたり、
失敗を笑い飛ばしたり慰めあったりして、
心の支えになりました。

数年たつと、
仕事上で他部署との連携が必要になったときには、
その部署に同期がいると心強くて、
上司や先輩に聞きにくいことを事前に教えてもらい、
仕事も進みやすくなりました。

4月の集合研修がなくなっても、
SNSや社内ネットワークでつながれるでしょうし、
半年後や1年後など、ともに学ぶ機会を設けて、
利害関係のないフラットな同期のつながりを
積極的に築いてほしいなぁと願います。

今年の新卒のみなさんは、
卒業式、入社式、研修が次々と中止や縮小され、
他の年にはない経験をされています。
あのときは大変だったね~と笑い合える日々が
早く訪れてほしいです。

私もこの2-4月は経済的に大痛手ですが、
同じく、笑い飛ばせる日を待ち焦がれています。

コーチング研修事例紹介:「高校生の娘が部屋に入れてくれたんです!」

   ~事例掲載の許可をいただいています~

「高校生の娘が、部屋に入れてくれたんです!」

幹部向けのコーチング研修の2日めの朝、
私の到着を待ち構えていた男性が、
駆け寄るように報告してくださいました。

「またスマホばっかり見て」
いつものように文句を言いたいところをぐっと我慢して、

「楽しそうだな。そんなに面白いのか?」
と問いかけてみたところ、
 ミニドラマが毎晩9時に動画配信されること、
 早く続きが見たくて毎日楽しみにしていること、
 原作本をお小遣いで買っていること、など、
うれしそうにたくさん話してくれました。

「本もあるのか?」
「あるよ。パパ、見に来る?」

「いやぁ、年をとってからできた子でしょ。
 友達のお父さんより老けてるし、
 禿げてるからかっこ悪いって、嫌われててね。
 話しかけても返事もしてくれないんですよ。
 それがねぇ、
 小学校以来かなぁ、5年ぶりぐらいですよ。
 部屋に入れてもらったの。」

目尻が下がったまろやかな笑顔で、
なめらかにお話が続きます。

やや強面のお顔立ちの方で、
自分にも部下にも厳しいお仕事ぶりで、
初日は、
研修なんてめんどくさいなぁと言いたそうな面持ちで、
一番後ろの席に陣取っていらっしゃいました。

それが、2日めは30分以上早く来られ、
最前列に座られています。

本当に昨日と同じ人ですか?
と言いたくなるほどの変化に、
他の幹部のみなさまも興味津々で彼を取り囲み、
ヒーローインタビューさながらに、
質問が止まりません。

「コーチングって、魔法ですねぇ。
 先生は魔術師ですか?」

いえいえ、魔法を起こしたのは、あなたです。
実際に行動を起こした、あなた自身の力です。

講師の私は、
コーチングのスキルを職場や家庭で使えるように、
信頼関係を構築するための話の聴き方をお伝えし、
身につけられるように演習をしていただいた後、
「身近な部下やご家族の方のお話を、
 好奇心を全開にして、
 丁寧に最後まで聴いてきてください」
と宿題を出しただけですから。

相手が話してくれないのは、
 どうせ聴いてもらえないと思うから。
相手が何度も同じことを話すのは、
 ちゃんと聴いてもらえないから。

うなずき、あいづち、繰り返し。
一生懸命聴くことで、
安心できる職場や家庭が増えると信じています。

この事例を紹介することを許可してくださったので、
幸せな上司や職場が増えるように願いを込めて、
幹部や管理職向けの研修でお話ししようと思います。

成果が上がる職場づくりのために「話を聴く効果」

ひとのわのコーチングセミナーでは、
職場ですぐに実践できるように、
少しずつ上達できる演習をご用意しています。

2時間のセミナーの後半には、
聴き手になったみなさんの表情がとても優しくて、
会議室が柔らかい空気に包まれます。

職場で、こんなふうに上司に話を聴いてもらえたら、
会社や職場が居心地よくて大好きになりそうです。

公益財団法人東大阪市産業創造勤労者支援機構の
2週連続のコーチングセミナー
「成果が上がる職場づくりのヒントを学ぶ」を
開催しました。

1日めのテーマは「話を聴く効果」です。

地元の経営者さんに関心の高いテーマだったようで、
早くから多くのお申込みをいただきました。

部下の力を引き出すために話を聴くことが
会社や組織の成果につながることを伝えた後で、
まず、成功体験を聴く練習をして、
さらに、お悩み相談へとレベルアップを図ります。

お悩み相談の演習では、
「問題解決しない」「アドバイスしない」と強調して、
ひたすら聴くことに徹していただくと、
冒頭に書いた通り、
お悩みに寄り添ってくれる素晴らしい聴き手が
大勢誕生しました。

2週連続セミナーなので、
来週までの1週間、
多少ぎこちなくても、部下の前で照れたとしても、
お話を聴く実験をしてきてください、と
エールを贈って締めくくりました。

来週は、「意見とやる気を引き出すコツ」。

これを知ると、さらにスムーズに聴きやすくなるので、
来週も一緒に楽しく学べますように。

生きている醍醐味は人の夢を応援できること

「生きている醍醐味って
 人の夢を応援できることじゃないかと思うんですよね」

株式会社サンリオエンターテイメント代表取締役で
心から尊敬する小巻亜矢さんが
NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で
おっしゃったことばが胸に深く刺さりました。

亜矢さんとは
NPO法人ハロードリーム実行委員会を立ち上げられる
少し前からの長いおつきあいで、
 http://www.hello-dream.com/
亜矢さんの考え方やお仕事ぶりに触れるたびに
毎回大いに感銘を受け、励まされてきました。

番組の中でも、スタッフとの面談や部下との会議で、
コーチングを用いた問いかけや承認をされていて、
亜矢さんと話す方々が次々と笑顔になっていく様子が
描かれています。

今年は書籍も3冊出版され、TVにもよく登場されていて、
直接お目にかかる機会は減っていても、
その都度、今必要なメッセージを受け取っています。

「生きている醍醐味は、人の夢を応援できること」

コーチングや経営相談、起業支援を仕事にする私には
何より勇気が出る座右の銘になりました。

対人支援のお仕事をしていると、つい、
本当にお役に立っているのだろうか、
もっと直接的なアドバイスをしたほうがいいのか、
などと、迷うこともありますが、

コーチのお仕事は、人の夢を応援すること。

人に話すと
「そんな夢みたいなこと」と言われそうなことを
本気で聴き、
クライアントさんご自身が夢を叶えられるよう、
本気で応援するのがお仕事です。

「生きている醍醐味は、人の夢を応援できること」

このことばを胸に、
これからも真剣に真摯に、
あなたやあなたの会社の夢を応援します。

分担して教え合う学習効果

私の研修では、
テーマに沿った演習を準備して、
主体的に参加し、丁寧に振り返ることを通して、
自ら学び取り、職場で実践することを重視します。

文献や施策を理解しなければならない研修でも、
項目を分担して教え合う方法を取り入れています。

担当箇所は、仲間に伝えるために真剣に向き合い、
別の箇所を一生懸命説明する仲間の解説も
応援する気持ちで集中して聴くので、
頭に入りやすくなります。

講師の講義もこれくらい真剣に聴いてほしいなぁと
思うくらい、学び合う場が生まれます。

今日の日経MJのトップ記事に
「読まない読書会 育てるヒット作」と題して、
ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)が
紹介されています。

ABDは、1冊の書籍を10数ページずつに分割し、
その場で担当ページの要約を作成して発表し、
対話を通して、書籍の概要を把握する読書法です。

私が教え合う方法を取り入れるようになったのは、
記憶を定着させるには、
他人に教えることが一番有効だという、
ラーニングピラミッドの理論から発案したのですが、
ABDと目的や手法が共通しているように思います。

社員を研修に参加させる上司のみなさまも、
職場の会議の一部の時間を使って、
参加者が研修で学んだことを教える場を設ければ、
研修効果が何倍にも膨らみますよ。
費用対効果を高めるためにも、おすすめします。

若手社員の仕事力向上のためのコミュニケーション研修

設備工事を行う企業さまで、若手社員対象に
仕事力向上のためのコミュニケーション研修を
実施しました。

ザ・現場男子なみなさまは、
同世代の研修の中のグループ演習では
活発に話し、突っ込み合い、盛り上がります。

事前に人事のご担当の方から、
上下関係が厳しい世界で、、
先輩が間違っていてもなかなか意見が言えない、
自ら質問できない、と課題をお聞きしていたので、
徐々にレベルを上げて、
後半では、業務の中の具体的な事例を使って、
言いにくいことを上手に伝える練習を重ねます。

「ムズイ」「絶対言えない」と口々に訴えつつ、
冗談を言い合いながら考えていくと、
なるほど!とうなるアイデアも飛び出して、
「うまいこと言いますね。」と膝を打つような
シナリオが生まれていきます。

現場では、シナリオ通りには会話が進まなくても、
これだけ粘り強く相手の気持ちを考える練習を
重ねたので、
自分なりに上手に応対する力がついたと思います。

あふれる底力を見せていただいて、
粗削りでも前向きに取り組む若い人たちを
私自身も応援できる大人でありたいし、
そういう上司や先輩を増やす研修も務めたいと
思います。

コミュニケーションセミナーで、聴けることに気づいてもらう

京都府よろず支援拠点で
「女性スタッフの力を引き出すコミュニケーション」
セミナーを開催しました。

参加の動機を話していただくと、
・男性オーナーが女性への声のかけ方に気を遣う、
・ほめなければいけないのか、
・どう注意すればよいのか、
・すぐに辞めてしまう対策は?
などのお困りごとが挙げられました。

そこで、
できるだけ関心に合うようにアレンジしながら、
日ごろのがんばりをねぎらうこと、
最後まで聴き、一緒に考えることなどを伝え、
実践練習をしていただきました。

セミナー参加者どうしなら、
「え、そうなんですか?」「へぇ~」と
好奇心全開で聴くことができ、
「すごいですね。」「それはおもしろい。」と
承認のフィードバックも自然にできています。

つまり、
職場では、聴けない状況や聴きたくないことは
あるとしても、
「人の話を聴けない人」はいないのです。

最後に、
演習で「聴けた」という事実を持ち帰って、

自社やお店のために日々働いてくれるスタッフのために、

・出社時や退社時に、顔を見て声をかけること

・まずは少し気持ちに余裕があるときに
 〇分だけと区切っていいので、「聴こう」と意識して
 耳を傾けてみること

から始めてください。と締めくくりました。

決して、無理にがんばろうとせず、
ちょっとした工夫や意識づけで、
もっともっと働きやすい職場になることを願います。

短時間のセミナーでもお伝えできることは多いので、
私もこういう機会を増やしたいです。

伝えにくいことを上手に伝えて心地よい職場をつくるセミナー

茨木市教育委員会で、幼稚園の先生方を対象に
「伝えにくいことを上手に伝える」ための
コミュニケーション研修を行いました。

実は私は、幼稚園の先生には思い入れがあります。
これまで出会った先生の中で、
一番影響を受けたのが幼稚園の担任の先生です。
落ち着きがなく、気ままに行動する私を認め、
信じて関わり続けてくださったことが
今の私の仕事や人生の価値観になっているのです。

なので、その先生への恩返しの思いを込めて、
研修を行いました。

職場の上司や先輩、保護者の方など、
大人向けのコミュニケーションがテーマですが、
子どもたちとのやりとりを例にあげて説明すると、
先生方の表情が和らぎ、大きくうなずかれます。

日ごろ、子どもたちのためを思い、
よいところを積極的にほめ、
たどたどしいお話にも注意深く耳を傾け、
うまく注意や喧嘩の仲裁をされているのでしょう。

それと同じように、
大人どうし、立場が違う方とのやりとりでも
「どう伝えたら、気持ちよく伝わるかなぁ」と
応用させることができれば、
先生方は、お互いの気持ちを思いやりながら、
自分の意見や気持ちも上手に主張しあって、
ここちよい職場になっていくことでしょう。

<ご案内>「共感力を活かすコミュニケーション力UP」セミナー

3年前から堺商工会議所で
働く女性向けセミナーを担当しています。

今年のテーマは
「共感力を活かすコミュニケーション力UP」です。
  http://www.sakaicci.or.jp/seminar/20191007.pdf

自由に解釈できる写真カード(Points of You)を使って、
思い思いに語り合ううちに、
人によって見え方や感じ方が違うことを実感したり、
自分の価値観やコミュニケーションの癖に気づいたり
さまざまな発見をしていただきます。

他の人との違いに好奇心を向けて語り合ううちに、
自然に、聴く力、語る力を高めることができます。

セミナーの中でできたことは、
職場でのコミュニケーションに応用できますので、
自分も周りも上手に意見を出し合える力を磨くために、
ぜひご参加をお待ちしています。

日時:10月7日(月)13:30-16:30
場所:堺商工会議所
講師:ひとのわ 福住昌子

ご案内は「こちらのPDFファイル」をご覧ください。

コーヒーブレイクにはお菓子もご用意いただいていて、
毎年、他社の女性社員どうしのヨコのつながりも
生まれているセミナーです。
ご参加をお待ちしています。

研修会場で第一印象の大切さを実感する

先日、研修会場の最寄駅で、ふと視線を感じました。

昨年、私の研修に参加された方が1年後も覚えていて、
会釈をしてくださるという奇跡のような出来事から、

この1年でかなり成長されたのだなぁ、
職場でかわいがっていただいているのだろうなぁ、と
手に取るようにわかります。

偶然の出来事で?と思うかもしれませんが、
たまに、または初めて訪問する外部の人間には、
たった一瞬で、びっくりするくらい会社の雰囲気が
わかることが多いのです。

実際にその後、この会社を訪問して、
見違えるほど成長されたみなさまにお会いし、
その感覚が正しかったことも確認できました。

ビジネスマナー研修などでは、
挨拶や電話応対の印象が会社の印象を左右すると
よく言われますが、
社外ですれ違うだけでも、わかるものなのですね。

人の振り見て我が振り直せ・・・ということで、
私はふだんは気を抜いてぼーっと過ごしているので、
気をつけたほうがよさそうです。