ひとのわにっきBlog

新人の学ぶ姿勢から学ぶこと

「新人さんですか?」

おつかいもののお菓子を買いに行くと、
大きな名札をつけた店員さんが緊張しながら
一生懸命に接客してくださって、
思わず、がんばって!と応援したくなり、

「〇〇お1つですね?」と復唱し、
斜め後ろを振り返って先輩の顔を見てから
商品を手に取り、
電卓で計算した金額を先輩に見せ……

一言話す前に、
1つ動作をする前に、
毎回先輩がうなずくのを見てから動いています。

すっかり忘れていたフレッシュが姿勢に触れて、
見ている私の気持ちも柔らかくほぐれていきます。

ポイントカードの説明やクレジットカードの扱いは
まだ手順を覚えていないようで、
先輩店員さんが
「すみません。お待たせしてしまいますね」と
気を遣って交代しようとされたので、

「大丈夫ですよ。
 急いでいないので、どうぞごゆっくり。
 一生懸命接客してもらえてうれしいです」と
マスク越しに笑顔を向けました。

「ありがとうございました」
教科書どおりの美しいお辞儀で見送ってくださり、
いい教育を受けているんだなぁとうれしくなりました。

毎年、新入社員研修の講師をするときには、
「お仕事は先輩から学ぶことばかりですが、
 先輩方は、みなさんの一生懸命な態度をみて
 初心を思い出し、気持ちが引き締まるので、
 それだけで先輩方のお役に立つのです」と
エールを贈って、職場に送り出します。

今年も、来週からいくつかの新入社員研修で
社会人としての心構えや立ち振る舞いを伝える機会が
あるはずでした。
新型ウイルスの影響で全てキャンセルになり、
職場ごとに先輩から習うようです。

急に教えることになった先輩方も大変でしょうが、
1つ1つ教えたとおりに行動しようとする姿に、
しっかりしなければ!と先輩の自覚が生まれ、
後輩の成長を願う気持ちが生まれることでしょう。

全体の集合研修にもメリットはあるのですが、
この状況を新しいことを試すチャンスに変えて、
新人さんも先輩も、相乗効果を最大限に生み出して、
働きやすい職場風土が育つことを願っています。