楽しい店づくりの時代
令和の外食は、楽しい店づくりの時代だそうです。
カンブリア宮殿の「レジェンドVS外食猛者」特集で
長年すかいらーくグループを率いてこられ、
今も新業態や現場に関わり続けている横川竟会長の
ことばです。
ご経験に裏付けられた一言一言には重みがあり、
覚えておきたい考え方が名言が詰まっています。
横川会長は、
昭和:価値づくりの時代
平成:価格だけで売ってきた時代
令和:楽しい店づくりの時代 とおっしゃいます。
もし、このような時代の変化に気づかず、
これまでの成功パターンにいつまでもとらわれて、
低コストの努力を続ければ続けるほど、
負のスパイラルに陥っていくことでしょう。
番組では、
最近あまりうまくいっていないお店の例として、
「いきなりステーキ」が取り上げられていました。
大量閉店に追い込まれ、また価格を下げると、
「安いから」というだけで来店客は増えましたが、
この先は厳しそうです。
私も創業ゼミや創業塾で価格のお話をするときに、
失礼ながら、ミスタードーナツの100円セールや
いきなりステーキの値下げの例を出すことがあります。
「定価に戻ったら、行きますか?」と。
そして、個人や小規模のお店や会社は
価格では大手に敵わず擦り減ってしまうので、
思い切って少し背伸びした価格を設定しても
「ありがとう」とお金を払ってもらえるように、
創業講座の多くの時間を割いて、
ここで買いたいと思ってもらえる価値を考えます。
つい弱気になってしまいやすいので、
安売りしたらダメですよ、
と口を酸っぱくして言い続けます。
横川会長の考えによると、
これからは、小規模だからではなく、
誰もが低価格競争を脱却して、
いかに楽しい、また来たいお店にしていくかが
ますます大事になるということですね。
横川会長は、
成功するためには、自分の意見ではなく、
お客さまがしてほしいことに徹すること、と説き、
ユニクロやニトリが好業績の理由も同じと言われます。
「消費者の価値に合わせて、
自分たちの行動を変えた人たち」と。
あわせて、経営者の思いの大切さも強調されました。
マニュアル化すべきかという若い経営者からの質問に、
「作業をマニュアル化しても意味がない。
思いをマニュアル化しなさい」と答えます。
思想がダメなら生き残れない。
2店舗目を考えているオーナーに対しても、
思想が同じでない人にはお店は渡さないようにと
助言されていました。
顧客満足、お客さまのために、という考え方は
昔から誰もが知っていて、
誰もが大事だと思っていることでしょう。
お客さまを大事にすることは当たり前と思えても、
時代の変化とともに、
そのお客さまが求めることが少しずつ変わるから、
会社やお店も変化しなければいけないところが
経営の難しさなのだと思います。
今、お客さまが喜んでくださっているのか、
今までうまくいっていたことが、今も通用するのか、
まして、これからも通用するのか、
常に問い続けることの大切さを、
この番組を見て、改めて痛感しました。
外食産業だけでなく、どの企業にも言えますし、
この視点を握り直して、
経営者や創業者のコーチングやコンサルティングに
携わっていこうと、大きな指針をいただきました。