歴史の授業が楽しくなりそうな本:「もし幕末に広報がいたら」
歴史上のできごとのプレスリリースを書く、
○○のプレスリリースをつくろう
○○の新聞記事を書こう
学校の授業でこんなふうに教えられていたら
もっと興味をもって学べたかもしれません。
時代背景や関係者を一生懸命調べていくうちに
いつのまにか覚えられそうです。
先生方、授業で試してみませんか?
「もし幕末に広報がいたら」 鈴木正義 日経BP社
歴史は苦手な私ですが、この本は楽しく読めて
ページをめくる手が止まらなくなりました。
書籍では、広報と一口に言っても、
たくさんのパターンがあることが紹介され、
・忠臣蔵の討ち入りについて吉良家から発信
・本能寺が火災発生のお詫び
・紀貫之が「土佐日記」で女性になりすましたことを
「古今和歌集編集部」が調査報告
・行基をインフルエンサーと位置づけて
クラウドファンディングを募集
など、
今の時代に合わせて設定がアレンジされていて
歴史上の出来事と思えないくらい楽しく読めます。
・墾田永年私財法は
「耕せば永久に土地はあなたのものに」
・参勤交代を「幕府とのコミュニケーション活性化」
・鎌倉幕府の御恩と奉公は「エンゲージメント型政府」
など、
イマドキの経営用語が駆使されたコピーにも
思わず笑ってしまいます。
・危機対応の5大原則:
謝罪、事実関係、原因・経緯、影響、
対応・再発防止
・明快なビジョンを示せば撤退もポジティブに
・書いてほしい見出しから考える
・FAQのQは「そうあってほしくないこと」を想定する
などなど、
プレスリリースの大事なポイントもわかりやすく
まとめられています。
が、
次の事件は何?どんな切り口?と気持ちがはやって、
最初に読むときには、頭に入りません(笑)
1度めはエンターテイメントとして楽しく読んで、
内容は2度3度と読まれることをおすすめします。
私自身は、発信の方法を学ぶより、
こんなにおもしろいアイデアでひきつけつつ、
同時に大事なことをきちんと説明できる、
この筆力を学びたいです。