ひとのわにっきBlog

依存症をほめて支える~「病院ラジオ」より

「がんばっていますね」とほめられたことが
退院後も支えになっていると、
アルコール依存症で入院されていた方が
TVでおっしゃっているのを見ました。

サンドイッチマンさんが病院でラジオを開設し、
患者さんやご家族のお話を聴く番組、
NHK「病院ラジオ 依存症治療病院編」です。

アルコール依存という病は一生完治することがなく、
何十年断酒できていたとしても、
一口でも飲んでしまった瞬間に戻ってしまうことを、
私も以前、アルコール依存症の方と接したときに
教えていただきました。

番組でも、入院中の方や退院後に通院されている方が
穏やかな優しい表情を浮かべながら、
お酒の誘惑との闘いについて語られていました。

冒頭の発言をされた方は、
入院中、看護師さんが「がんばってますね」などと
書いてくださった付箋をノートに貼って、
今も持ち歩いて励みにされているそうです。

コーチングでも、
よいところを見つけて伝える、
がんばったことを認める、
というポジティブフィードバック(承認)を
大事にしています。

コーチング研修に参加された方からのご報告や
コーチングのクライアントさんたちの変化で、
その効果を何度もまのあたりにしていますが、
私が知っているのは、
あくまで、ビジネスや日常生活の事例です。

医療現場も看護師さんたちが温かく声をかけ、
葛藤と闘っていらっしゃる方の支えに
なっていることを知って、胸を打たれました。

ほめことばは、人生の支えになるのですね。

最近も、芸能界やスポーツ界でご活躍された方が
薬物の再犯で捕まった報道が続きました。
そんなときによく見聞きするコメントが、
「出所して誰にも相手にされないときに、
 昔の仲間からの誘惑にのってしまった」

医療の素人の私の発想は甘いのかもしれませんが、
「今日もがんばれたね」と支えるしくみがあれば
抑止効果があるのかもしれません。

私にできることは小さいですが、
ご縁があるクライアントさんや研修参加者で
ご家族や部下に怒りをぶつけていた方や、
過去の失敗を悔いて苦しんでいる方に、
「今日もできましたね」「がんばってますね」と
励まし続けることはできそうです。

番組の最後に流れたことばが印象に残ります。
「戻ることはできないけど進むことはできますから」